行政に対応をお願いする方法

 

神奈川県行政書士会湘南支部は、管内の藤沢市・茅ヶ崎市・寒川町の役所・役場やその他の場所で、主に管内に在住又は在勤の方を対象に定期的に無料相談を実施しています。

無料相談には、支部会員の行政書士が対応するのですが、相談内容によっては請願・陳情する方法で、国や地方自治体に対応を求める方が良い場合もあるようです。そこで、今回は請願・陳情についてご紹介します。

 

そもそも、請願・陳情とはどのような制度なのでしょうか。

 

まず、請願とは、国や地方自治体に何らかの対応を求める手続きで、日本国民だけでなく外国人もできるものです。また、個人だけでなく法人もできます。

請願の対象は、国や地方自治体に関する一切の事項ですので、例えば「管理困難な崖地の所有権を放棄したいので、それができるように法整備をしてほしい」といったことを、国に対して請願できるのです。ただし、請願を受けた機関は誠実にそれを処理する義務を負いますが、請願内容に応じた措置をとるべき義務は負いませんので、請願内容は必ずしも実現されるものではありません。

請願をするには、前提として一定の手続きが必要ですが、行政機関(国・地方自治体)に対する場合と国会・地方議会に対する場合で方法が異なります。

行政機関に請願する場合は、請願者が請願内容等を記載した書面に自らの住所氏名を記入して、所轄の官公庁(不明な場合は内閣)にそれを提出しなければなりません。

 

国会への請願は、議員の紹介により書面で提出し、請願を受けた議院の委員会での審議を経て、本会議で採決されます。採択された場合は、内閣に送付され、内閣はその処理について国会に報告しなければなりません。地方議会への請願も、国会と同様に議員の紹介により書面で提出し、議会で採択されたものは首長や関係機関に送付されます。

 

次に、陳情とは、請願によらずに国や地方自治体に何らかの対応を求める手続きです。例えば、地方議会への陳情は、議員の紹介なしでも認められています。陳情は、請願よりも行政機関に対する拘束力が弱く、陳情を受けた機関は、陳情内容に応じた措置をとるべき義務を負いません。

このように、請願は書面によることが求められていますし、陳情においても書面の提出が求められることが多いです。また、請願先の機関によって書面の様式が異なることも多いですし、先述のとおり請願・陳情した内容は必ずしも実現されるものではありませんので、実現には内容の吟味や関係する機関や議員等への働きかけが必要になります。

 

請願・陳情した内容の実現には、以上のようにいくつものハードルが待ち構えているので、一般の方がそれらを乗り越えるのは大変かもしれません。しかし、行政手続きのプロである行政書士をご活用いただければ、乗り越えるのは相当容易になるはずです。

 

国や地方自治体に請願・陳情する際には、まずは行政書士へのご相談をお奨めします。お気軽にご相談ください。