海外にいる外国人を日本で雇うには

 

食欲の秋です。
インターネットや情報誌などでお店を探して、カフェやレストランめぐりをするのが
趣味という方もいらっしゃることでしょう。評判の良いお店の中には、
本場インドから呼び寄せたインド人シェフが作るカレー料理の店などというところも
ありますね。
ところで、海外から外国人を招いて日本で働いてもらうためにはどうすればよいのでしょうか。
外国人が適法に日本に入国し、上陸するための要件は次の通りです。
 (1) 有効な旅券(パスポート)で、日本国領事官等の査証(ビザ)を受けたものを所持していること
 (2) 申請にかかる活動(日本で行おうとする活動)が虚偽のものでないこと
 (3) 申請にかかる活動(日本で行おうとする活動)が入管法に定める在留資格の
いずれかに該当すること。
(上陸審査基準の適用のある在留資格についてはその基準に適合すること)
 (4) 滞在予定期間が在留期間を定めた施行規則の規定に適合すること
 (5) 入管法第5条に定める上陸拒否事由に該当しないこと
(6) 上陸申請時に指紋、写真等の個人識別情報を提供すること 


まず、上記の要件(1)にある「査証(ビザ)」とは、海外の日本大使館・領事館等において
発給されるもので、「この外国人の日本への入国に問題はないと判断される」ということを
示すものです。
ただし、これは上陸許可とは異なるので、上記の他の要件を満たさない場合には
上陸が認められないこともあります。
査証は、入国目的に応じて7種類に分かれており、日本で働くことを希望する場合には、
一般にワーキングビザとか就労ビザとか呼ばれている「就業査証」が必要となります。
原則として入国を希望する外国人本人が海外の日本大使館・領事館等で申請しますが、
その際、「在留資格認定証明書」があると手続がスムーズに行われることになります。
つぎに、上記の要件(3)にある「在留資格」とは、
(i)外国人が日本において一定の活動を行うことができる資格または
(ii)日本において一定の身分・地位を有する者としての活動を行うこと
ができる資格をいいます。
在留資格は全部で27種類あり、日本に滞在する外国人はこのいずれかの
在留資格をもっていなければなりません。
各在留資格にはそれぞれ活動の範囲、内容が決められており、たとえば
外国人シェフとして働くためには在留資格「技能」が必要になります。
在留資格には「在留期間」という一定の期間があり、その期間を超えて
同じ活動を行いたい場合には、「在留期間更新許可申請」をしなければなりません。
また、これまでの活動の範囲、内容を変更したい場合には、
「在留資格変更許可申請」をしなければなりません。
このように、海外から外国人を招いて日本で働いてもらうためには、
まずは適法に入国し、上陸するための手はずを整え、日本滞在中には
適法な在留のための諸手続を行う必要があります。
しかし、これらはとても複雑であり、書類作成一つをとっても専門的知識が要求されます。
外国人シェフの例に限らず、広く外国人の入国・在留に関することがらは、
私たち行政書士の業務の一分野です。特に申請取次行政書士は、
一定の手続について、ご本人が入国管理局に来ていただかなくとも代わりに
申請をすることができます。
外国人の入国・在留についてのご相談は、ぜひお近くの行政書士までお寄せください。