来年からマイナンバー制度が始まります (対応準備はお早めに!)

 

今年も始まったなあなどと思っていたら、もう五月の連休ですね。

暖かくなったなあ・・・なんてのんびりしていると、来年が来るのもあっという間かも知れませんね。

 

来年1月には、社会保障・税番号制度、いわゆる「マイナンバー制度」が始まります。

今年の10月に、個人に対してマイナンバー(正確には「個人番号」といいます)が通知されます(「通知カード」というものが簡易書留で送付されます)。

 

そして1月から、実際に制度がスタートします。

 

会社などの法人においても、社会保険の手続きや、住民税の特別徴収、源泉徴収票の作成時等に、従業員等のマイナンバーを記載する必要があります。

 

住民税は再来年(2017年)1月の給与支払い報告書から、また所得税は来年(2016年)の年末調整(12月)から、各々のマイナンバーを記載する必要があり、まだ時間があるように思えますが、基本的には全て1月から開始ですので、タイミングによってはすぐ必要になる事務もあります(社会保険関係など)。

 

記載するためには、本人やその被扶養者からマイナンバーを提供してもらう必要があります。

また、提供してもらったあとも、漏洩や不正利用を防ぐための安全な管理を実施する必要があります。

 

いかがでしょうか?

1月からスムーズに対応できるよう、今から準備を始める必要がありそうですね。

これから決算などがある法人は、それに時間が取られることも考えると、余り時間がないかも知れません。

 

細かくご説明を行いたいところですが、まずは大まかに、会社などが来年までにしておくことは次の3つだ、というイメージを持っていただければと思います。

 

1、従業員(その被扶養者を含む)に対する事前案内。

10月に自治体からマイナンバーの通知があること、マイナンバーは給与の支払者に提供する必要があること、マイナンバーを紛失等しないように注意することなど。

 

2、従業員等のマイナンバー収集方法の検討。

マイナンバーの提供を受けるときは、厳格な本人確認を行わなければならない(米国などでも成りすましが問題になっているようです)。基本的には次のいずれか。

(1)個人番号(マイナンバー)カード

(2)通知カード+運転免許証等

(3)個人番号(マイナンバー)が記載された住民票等+運転免許証等

雇用関係にある従業員は本人に間違いないと分かれば本人確認不要だが、被扶養者の本人確認をどうするかなどを確認し、検討する。

 

3、マイナンバーの提供を受けたあとの管理体制の検討。

(1)基本方針の策定

(2)取扱規程の策定

(3)組織的安全管理措置

(4)人的安全管理措置

(5)物理的安全管理措置

(6)技術的安全管理措置

 

要するに、マイナンバー取扱いの内部ルールを整備したり、責任者や取扱者を決めたり、責任者が状況を確認、監督できる体制づくりをしたり、マイナンバーを取扱う部屋や区画を作って入退室管理を行ったり、マイナンバーを金庫や鍵付きキャビネットに保管したり、またはコンピュータに保管するなら不正アクセス対策をしたり、といったものです。

従業員等が多い法人では、システムを導入することが考えられますが、その場合、内部体制構築についてもそのシステム業者に相談できるものと思います。

 

しかし、システムを導入するほどの規模ではない場合、アナログな方法でマイナンバーを管理するための体制づくりは、自前で一から行う必要が出てきます。この場合は、早めに準備したほうがよいと思われます。必要な情報は、関連法などの条文の他、各行政機関のウェブサイトで手に入ります。

 

法人経営者の方はもちろん、総務や人事など管理部門の方はマイナンバー対応の中心になるでしょうから、今のうちに各資料に目を通し、早目の準備を心がけていただきたいと思います。

営業部門の方も、取引内容と取引先によってはマイナンバーを提供してもらう場面が出てくるかも知れません。営業部門はお客様と直に接する窓口ですので、管理部門からレクチャーを受けて、最低限の理解はしておいたほうがよいかと思います。

 

それ以外の方は、お勤め先にマイナンバーを提供するんだな、ということが分かっていればとりあえず大丈夫でしょう。自分で確定申告をしている方は、今後はマイナンバーの記載が必要になります。

 

なお、法人の組織(内部体制)や、内部ルールについては、私たち行政書士の専門分野です。

例えば、行政書士は依頼を受け、定款(法人の根本規則)を作成するほか、より細かい各種の内部規程の作成も行っています。

また、行政書士はよく知られているとおり、各種営業許可申請の書類を作成しますが、その書類には法人の組織図や、内部規程が必要とされるものが多くあります。

これはただ添付すればいいものではなく、許可の要件(法律)に合うかどうか把握することが大切で、行政書士が日常的に取り扱い、得意とする分野です。

もし手助けが必要でしたら、お近くの行政書士にご相談ください。