新しい公益法人制度とは?

 

暦の上ではとうに春を迎えたものの、まさに三寒四温の時季。
少しずつ厳しい寒さも和らいで、だんだん暖かくなる、この春先は
花粉症にお悩みの方にはつらい季節の始まりとも言えますね。
さて、今回は「新しい公益法人制度」について触れてみたいと思います。


年明け早々、大相撲の「八百長問題」・「春場所中止」という
喜ばしくないニュースが飛び交いました。
相撲ファンならずとも連日の報道には関心を持たれたことと思います。
話題に上った大相撲を主催興行する日本相撲協会は一般に
「公益法人」と呼ばれる財団法人です。
これまでの「公益法人」は、主務官庁(日本相撲協会の場合は
文部科学省となります。)によって公益性を判断され許可を受けた
社団法人、財団法人であり、法人の設立と公益性の判断は
一体化しており、法人格と税の優遇が連動していました。
しかし、平成20年12月にスタートした新公益法人制度では、
法人の設立と公益性の判断を分離し、社団・財団法人の
「一般」と「公益」について次のように整備されることになりました。
◇一般社団法人・一般財団法人
・剰余金の分配を目的としない社団、財団
・事業に制限はなく、登記のみで法人の設立が可能
・行政庁による監督なし
◇公益社団法人・公益財団法人
・一般社団法人・一般財団法人のうち公益目的事業を行うことを
 主たる目的とした法人で、申請により公益認定の基準を満たした
 場合に認定を受けることが出来る
・行政庁による監督あり
・一定の税優遇等あり
現行の公益法人は5年以内(平成25年11月末日まで)に
新制度に基づき、公益社団法人・公益財団法人または
一般社団法人・一般財団法人への移行の手続きが必要となりました。
所定の手続きを行わなかった場合、その法人は「解散」とみなされてしまいます。
また、登記のみで設立可能となった一般社団法人・一般財団法人についても
行政庁の監督が伴わない分、法人の自主的、自立的運営が求められるため、
各種機関の設置などの要件を満たす必要があります。
日本相撲協会は公益財団法人への移行申請を希望しているそうですが、
どのような判断がなされるのかが今後の指針のひとつとなることも
予想されるだけに、これからの経緯も興味深いところですね。
行政書士は上記の社団法人・財団法人手続きについてもご相談を承っております。
どうぞお気軽にお近くの行政書士までにお問い合わせください。