在留外国人とマイナンバーカード

 

外国人に関わる国際業務は代表的な行政書士業務の一つですが、昨今、国際業務を中心に活動している行政書士が、外国人の方からマイナンバーカードについて質問される機会が増えております。そこで今回は、このマイナンバーカードを含めたマイナンバー制度が、在留外国人にどのように関係しているのかについて、お話しいたします。最後までお読みいただければ幸いでございます。

 

マイナンバーは、住民票を持つ日本国内の全住民に付番される12桁の番号です。このマイナンバーによって、迅速かつ確実に個人の特定ができるようになるので、行政手続きにおいては、必要な添付書類が減り事務処理がスムーズになったり、行政機関同士での情報連携が促進されたりすることによって、行政サービスの向上が期待されます。

 

また、全住民には「日本国内に住民票のある外国人」も含まれております。従って、在留許可(ビザ)のうち「中長期在留者」もマイナンバーの付与対象となります。つまり、観光目的などで90日以内の「短期滞在」をする外国人以外は、ほぼ当てはまるのです。

 

在留許可がおりた外国人には出入国在留管理庁から在留カードが発行されます。

ただし、在留カードを持っているだけでは、マイナンバーは付与されません。市区町村で住民登録(居住地を決めてから14日以内)を行い、住民票が作成された後に「通知カード」の交付を受けることで、はじめてマイナンバーが付与されます。ちなみに、付番されたマイナンバーは、在留外国人が本国に帰国した場合や、日本国籍の取得や離脱があった場合も、生涯変わることはありません。

なお、住民登録は中長期在留者に義務付けられており、これには転入転出などの際の市区町村への届出も含まれておりますので、お引っ越しの際は忘れないようにご注意ください。

 

では、マイナンバーカードが、在留外国人の生活に最も関わるのは、どのような場合でしょうか。

最も身近な事例は、国内で雇用される場合です。前段でお話ししたように、中長期在留者は日本国内に住民登録義務があるので、マイナンバーが付与されていることが前提となっております。従って、マイナンバーを持っていない外国人は、住民登録義務違反となり、雇用される(就労する)ことができません。

 

このことから、行政書士が外国人から就労相談を受ける場合は、まず初めに通知カードやマイナンバーカードの所持確認をいたします。また、行政書士に在留許可の更新手続きの相談があった場合は、更新許可後のマイナンバーカードの延長申請についても、併せてご案内させていただいております。

 

なぜなら、外国人が通知カードを使用してマイナンバーカードを申請する際は、マイナンバーカードの有効期限は発行時点での在留期限までと定められているからです。

有効期限までに延長申請ができなかった場合には、マイナンバーカードは期限切れ失効となり、再交付申請が必要となってしまいます。この場合、原則として本人以外の申請ができませんので、ご留意頂ければ幸いでございます。

 

われわれ行政書士は、総務省から委託を受け、全国各地でマイナンバーカード代理申請を通じて、普及活動のお手伝いをさせていただいております。マイナンバーのことでお困りの際は、お近くの行政書士にお気軽にご相談ください。