ポイ活と終活

 

吹く風や遠くの山並みにも春の訪れを感じる頃となりました。
月日の経つのは早く、様々な場面で日ごろの小さな積み重ねが大切なことを、つくづく感じるものです。

そんな毎日の中で、買い物やサービスの利用でポイントを貯めている、いわゆる「ポイ活」をされている方も多いと思います。知らぬ間に増えているポイントも、見方によっては立派な資産といえるでしょう。小さな積み重ねが、気づけば意外に大きな金額になることもあります。

 

さて、せっかく貯めたポイントですが、ご本人が亡くなった時、遺族は相続できるのでしょうか。
民法上、亡くなった人が持っていた財産上の権利義務は、原則として相続の対象となります。では、近年急速に普及した電子マネーやポイント、暗号資産(仮想通貨)といったデジタル資産はどうなるのでしょうか。

 

まず、Suica・PASMOなど交通系ICカードをはじめとする電子マネーのチャージ残高は、一般に相続財産になりえます。ただし、カードの種類(モバイルか、記名式か等)によって手続きや払戻しの可否も異なってきます。
一方で、規約上、相続や払戻しが認められない電子マネーもあります。例えばファミマの「FamiPay(ファミペイ)」は利用者が死亡した場合に利用資格は喪失され、マネーサービスの利用ができず、払戻しもしない旨が規約に定められています。

 

次にポイントサービスについてです。もともとポイントは購入やサービスへの特典という側面が強く、規約上、本人以外受け取りや相続もできない(死亡により失効する)ことが多いとされています。ただし、取り扱いは各社規約等によるため、ポイント残高が大きい場合は個別に確認する価値はあるかもしれません。

 

また、ポイントサービスの中には、航空マイルのように所定の手続きにより、相続が可能な制度もあります。例えば全日本航空(ANA)は、逝去日から180日以内に必要書類を揃えて申請することで、法定相続人がマイルを相続できるとされています。
さらに、株や投資信託などの金融商品は相続の対象なので、ポイントを投資に充当して投資信託等を購入した場合、相続対象となりえます。もっとも、元本が保証されるものではありませんので、運用は自己責任である点に注意が必要です。

 

そして、暗号資産(仮想通貨)も財産的価値を有する資産として、相続の対象となります。相場が高騰していれば相続税負担が大きくなることもあります。他方で、暗号資産の保有を家族が把握していない場合や、ログイン情報、二要素認証、また自己管理ウォレットの秘密鍵等が分からなければ、相続人が資産にアクセスできないおそれがあります。

 

ますますデジタル化が進む今だからこそ、遺言書やエンディングノートに、利用・保有しているデジタル資産や口座の存在、必要な手掛かり(IDやパスワード、保管場所等)を記録することの重要性を再確認したいものです。残された遺族が分かるように備えておくことが、円滑な相続に繋がります。

 

自分の資産をきちんと相続してもらうために、また希望する人や団体に引き継いでもらうためにも、相続や遺言について早めに考えておくべきでしょう。そうした終活についてお困り・お悩みのときは、気軽に相談できる街の法律家、行政書士にぜひお尋ねください。