ボランティア活動とNPO法人

 

 先日、7月5日に発生した「九州北部豪雨災害」により、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。皆様の安全と1日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。このような大きな災害が発生すると、復興支援の担い手の一翼は、一般市民の方達が参加されているボランティアの方々が担っております。今回は、そのボランティアと切っても切り離せないNPO法人ついて、お話ししたいと思います。

 先ずは、NPO法人の簡単な歴史からお話ししたいと思います。日本でいつからスタートしたかと言うと、そもそものきっかけは、1995年の阪神淡路大震災でのボランティア活動です。これを契機に市民による社会貢献活動が社会的に注目される様になり、そして1998年に、特定非営利活動促進法が制定されました。これによって非営利活動をする団体に法人格が与えられ、より活動しやすくなりました。この非営利活動をする団体を英訳するとノンプロフィットオーガニゼーションとなり、頭文字をとってNPOといいます。

 ここで言う非営利活動とは、不特定多数の者の利益の増進に寄与する事を目的とする活動の事で、社会貢献的なものが該当します。そのNPOの内、特定非営利活動促進法に基づき認証された団体の事をNPO法人と言います。具体的にどんな分野で活動しているかと言うと、NPO法人の主たる活動分野は、現在、20分野となっています。福祉、文化、教育、街づくりなどが代表的なものです。行政の仕事と思われがちな分野もNPO法人が担ってきており社会に必要不可欠な存在になってきています。

 先の法律で、非営利活動をする団体が法人格を得ることで、どんな利点があるかと言うと、事業報告書等の情報公開が義務付けられているので、活動内容がオープンになります。それは、法人の事務所や法人の所轄庁で閲覧することができます。これにより法人側は、正しく活動内容等を情報公開する責任が生まれてきます。また、これにより、NPO法人の活動資金の重要なポストを占める、寄付金を集めやすくするという側面もあります。

 また、寄付する側にとっても、寄付する以上は何に使われているかが必要です。そして、忙しいから活動に参加するのは難しい人でも、公開されている活動内容を正しく理解して、賛同できるなと思った場合は、寄付という形で社会貢献できるという手段もあり、いろいろな形での社会貢献が可能だと思います。

 行政書士のNPO法人との関わりは、法人の設立に必要な書類の作成や、法人格を有すると毎年、法令で規定された事業報告書や計算書類等を所轄庁に提出し、情報公開しなくてはなりませんので、そういった書類の作成のお手伝いをしております。

 これから3年後に「東京オリンピック」を控えている我が国日本では、災害支援のボランティアだけでなく、訪日する多くの外国人に対して、日本流おもてなしの役割の一端を担う多くのボランティアの方々が必要となってくると思われます。その縁の下の力持ちとして、NPO法人の活躍も期待されていると思われます。