夏真っ盛り、当コラムのご覧の皆様へ暑中お見舞い申し上げます。熱中症対策なども万全に、皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます。
さて、今回は運送業者の皆様に、貨物自動車運送事業法の改正に関連して、是非ご一読いただきたい内容となっております。
令和2年4月、国土交通省は一般貨物自動車運送事業者が法令を遵守して持続的に事業を行う際の参考となる運賃として「標準的な運賃」を定めました。
これは、働き方改革関連法に基づき、令和6年4月からトラックドライバーの時間外労働の上限規制(年間960時間)が適用されることをふまえて、事業者が法令遵守を徹底した上で、適正な労働時間・賃金で人材を確保し、重要な社会インフラである持続的なトラック輸送を維持するため定められたものです。
この標準的な運賃は実勢運賃の1.5倍~3倍ともいわれております。
「よし。うちも標準運賃で仕事をしよう!」と思われたら、設定後30日以内に管轄の地方運輸支局に運賃料金変更届出を提出しましょう。(根拠法令:貨物自動車運送事業報告規則第2条の2運賃及び料金の届出)
届出に必要なものは以下のとおりです。(郵送による受付も可能です。)
①運賃料金変更届出書(標準的な運賃を設定するための書面)
②運賃料金適用方(標準的な運賃を活用するに際しての具体的な適用ルール)
また、期待される効果は以下のとおりです。
①ドライバーの労働環境の改善
②全産業平均レベルの賃金水準に引き上げ
③会社として法令遵守の徹底
④持続的なトラック輸送の確保
標準的な運賃の届出後は、取引先に対して申入れ、交渉を行い、取引先毎に契約書・覚書により取引条件を規定して、事業継続に必要なコストに見合った対価を収受し、令和6年4月にむけて準備を始めましょう。
許可・認可・届出をはじめとした運送業に関する各種ご相談は、お近くの行政書士にお気軽にお尋ねください。