謹んで新春のご挨拶を申し上げます。
輝かしい年頭にあたり、皆さまのご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
ここ神奈川県の湘南エリアは、ロケーションの良さから県内だけでなく県外からもサイクリングに来られる方が多数いらっしゃいます。
自転車の利用は近年、生活の脚のみならず多彩な広がりを見せています。環境にやさしく、健康にも良いこと、そして震災時の自転車の活躍や節電意識の向上から、自転車通勤がブームになっています。趣味の領域では、長い距離を走ったり街を自転車でぶらぶらと散歩する「ポタリング」が流行しています。一方、宅配やメッセンジャーなど物流業界や流通業界でも、自転車利用やレンタルサイクル(シェアサイクル)など、自転車の活用方法が広がっています。
また、今年開催される東京オリンピックでもいくつかの自転車競技種目があり、こちらも注目となっており、今後も自転車ブームは続きそうです。
そこで、新年初の当コラムでは、皆さまの生活に関わりのある自転車について情報提供をさせていただきます。
令和元年10月1日より「神奈川県内で自転車の利用者」を対象に自転車損害賠償責任保険等への加入が義務化されました。
昨今の自転車が関わる重大事故の発生、自転車事故の高額賠償事例などから、自転車の安全で適正な利用の促進」と「自転車損害賠償責任保険等への加入義務化」を柱とした条例が制定されました(神奈川県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例)。
この条例は、平成31年4月1日から施行されていますが、「自転車損害賠償責任保険等への加入義務化」の部分については、令和元年10月1日からの施行となっています。
「自転車損害賠償責任保険等への加入義務化」の部分の概要は下記のとおりです。
・自転車利用者、保護者、事業者、自転車貸付業者の保険加入義務
・自転車小売等業者による自転車購入者等の保険加入の確認
・学校における自転車通学者の保険加入の確認
神奈川県内で自転車利用される方は、老若男女問わず加入の義務があるのはもちろんのこと、県外から自転車を乗り入れる方についても、加入義務がありますので、神奈川県内にサイクリングに来られる方も注意が必要です。
肝心の自転車損害賠償責任保険についてですが、自転車向け保険だけでなく、自動車保険・傷害保険・火災保険・クレジットカードなどに付帯する保険で、自転車保険に相当する保障特約がついている場合がありますので、加入を検討する際は保険の重複が無いよう、ご自身で既に加入している保険の内容の確認から進めると良いと思います。
また、条例とは直接関係ありませんが、自転車事故に起因するトラブルでお悩みの際、神奈川県行政書士会が所管運営する「行政書士ADRセンター神奈川」で相談を承っております。
ADRとは、Alternative (代替的)Dispute(紛争) Resolution(解決)の略称で、「訴訟手続によらずに民事上の紛争の解決をしようとする紛争の当事者のため、公正な第三者が関与して、その解決を図る手続」のことであり、身の回りで起こる様々なもめ事やトラブルを、裁判外で解決する手続です。
これは、民事上の紛争を、当事者と利害関係のない公正中立な第三者が、当事者双方の言い分をじっくり聴きながら、専門家としての知見を生かして、柔軟な和解解決を図るものです。
ここでは、裁判のように法律を適用し紛争を解決するということよりも、当事者の対話を促進し、実情に応じた解決を図るということに力点が置かれることになります。
下記のような事例でお困りの際は、一度、行政書士ADRセンター神奈川に相談されてみてはいかがでしょうか。
・自転車と自転車の衝突
歩道上での自転車同士の衝突により、乗っていた幼児が放り出され負傷したことによる一方の当事者が他方に対し損害賠償を求める場合。
・自転車と歩行者との衝突
自転車と歩行者が坂道と平坦な道路の出会いがしらに衝突したことにより一方の当事者が他方に対し損害賠償を求める場合。
・自転車が引き起こした物損事故
自転車が信号のある交差点で接触したため、被害者の自転車が損傷し軽傷を負った上荷台にあったパソコンが破損し使えなくなったことにより、被害者が加害者に損害賠償を求める場合。
※自転車以外の車両との衝突事故は除きます。
事故が無いことが一番ではありますが、万が一事故トラブルでお悩みでしたらご相談ください。
本年も皆さまの生活に寄り添い、そして事業のパートナーとして貢献できるよう支部会員一同努力を重ねて参ります。
本年も神奈川県行政書士会湘南支部をよろしくお願い申し上げます。