空き家に関する法律の改正について

 

蒸し暑い日々が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
引き続き熱中症や感染症に気を付けて、皆様が健康にお過ごしいただけますよう、心よりお祈りいたしております。

さて今回は、今年の6月に改正されました「空家等対策の推進に関する特別措置法」について簡単にご紹介させていただきます。(以下、「空家等特措法」といいます)
空き家に関しては、ぜひこちらのコラムもご参照ください。

(→2021年1月のコラムへリンク

 

近年、空き家の数は全国的に増え続けており、近隣住民への悪影響や犯罪の温床となるなど、社会的に大きな問題となっております。そこで、今後の空き家対策を強化する目的で、空家等特措法が改正されました。

(※国土交通省の関連ページに詳細情報が掲載されております。下記のリンクをご参照ください。国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報」

これまでの空家等特措法では、放置すると倒壊のおそれがあるなど、特に危険性が高い物件について、自治体が「特定空き家」に認定し、撤去できるとしておりました。

しかし、こうした措置を行っても、なお空き家が増加し続けていることから、今回の改正では、放置すれば「特定空き家」になる恐れがある、管理の行き届いていない「管理不全空き家等」についても自治体が指導・勧告するものとされました。

この「管理不全空き家等」の勧告を受けると、空き家の敷地は固定資産税の住宅用地特例(住宅が立つ土地の面積が200㎡以下の場合、一定の要件を満たせば固定資産税が6分の1に軽減される)の適用対象から外れてしまいます。この改正により、所有者が空き家の撤去や利活用など、適正な管理に取り組む契機になることが期待されています。

また、市区町村が空き家の利活用に向けて、区域や指針を策定できる制度も新設されました。これにより、これまで規制のあった地域等でも、空き家を宿泊施設や飲食店などに転換しやすくなり、地域振興を踏まえた利活用が促進されることとなります。

空き家が発生してしまう代表的な例としては、遠方の実家等を相続した場合が考えられます。相続した実家等を空き家にしないためには、遺言書を作成し、将来空き家となってしまう可能性のある物件について、その承継者や売却方法等を予め決めておくことが効果的です。また、万が一遺言がなかった場合でも、相続人全員による遺産分割協議を行うことによって、不動産の承継や処分について決めることができます。税負担増大のリスクを避けるためにも、ぜひご検討をいただければと思います。

遺言や遺産分割協議書の作成についてのお困りごとや、空き家の利活用に伴う宿泊施設・飲食店の開業などのご相談は、お近くの行政書士にぜひお気軽にお寄せください。