新年あけましておめでとうございます。
皆様、おだやかな年明けをお迎えのことと存じます。
新春を迎え、我々行政書士も心新たに、
皆さまの一番身近な法律家としてお役に立てるよう、
これからも研鑽を積んでまいりたいと思います。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、年末年始、皆さまはどのようにお過ごしでしたか?
にぎわう街に更に彩りを添えるように、あちらこちらで自動車による移動販売を
見かけるようになりましたね。
ビジネス街でのお弁当の販売や、買い物弱者をサポートするための移動販売など、
少ない資金で開業できるビジネスモデルとして注目を集めています。
自動車を利用して飲食店など食品関係の営業を始める場合には、
食品衛生法や、営業を管轄する都道府県及び市などの条例に基づいて
営業許可を取得しなければなりません。
そもそも、飲食店の経営や食品の製造、販売には、食品衛生法に基づき営業許可が必要
ですが、自動車による営業には次のような制限があります。
・飲食店(調理営業)の場合
取り扱う品目は、客への提供前に加熱調理し、あたたかいうちに提供出来るものに限
られ、酒類の販売はできません。
なお、軽自動車による営業の場合は、販売品目は1品目のみと定められています。
・食肉販売業・乳類販売業の場合
取扱品目は包装品に限られます。
・魚介類販売業の場合
取り扱う品目は包装品に限られます。
ただし、給水タンクの容量や、処理台が設置されている等の条件を満たせば、
身をおろしたり、切り身に調理することができます。
では、申請手続きから許可証交付までの流れを見ていきましょう。
ここでは、神奈川県の要綱をベースにお話しします。
(1)事前相談
まず、営業するための車両を確保することはいうまでもありませんが、自動車による食品販売を行う場合には、その自動車そのものが営業施設となりますので、食品を提供するための設備を備えておく必要があります。
衛生を保つための流水式の設備、給水・排水設備等、営業のための条件を満たすように車両の改造計画を立てておきましょう。
そして、車両改造着工前に、主たる営業地を所管する保健所や保健福祉センターなどの窓口に相談を行います。
また、食の衛生を確保するため、食品取扱い施設の営業者には「食品衛生責任者」の設置が義務付けられており、有資格者がいない場合には、食品衛生による講習会を受講することで資格を取得するよう定められています。
(2)申請書類提出
営業許可申請書、営業施設の大要の他、指示された必要書類を提出します。
この提出書類は、主な営業地を所管する保健所によって異なる場合があり、水道水
以外の水を使用する場合には、水質検査成績書の提出が求められる場合もありますので、事前相談の際に十分な確認が必要です。
(3)車両調査(施設検査)
営業車完成後、車両調査にて「施設基準に適合し衛生上支障ないかどうか」の判断がなされ、不備があれば改善されるまで許可はおりません。
(4)許可証交付
施設基準合致が確認されて初めて許可証の交付がなされます。当然、営業許可証が交付されるまでは営業はできません。
(5)開店
以上の手続きをクリアして、いざ開店!となります。
が、営業場所に関しては、まだまだ注意が必要です。
許可をうけた所管地域の中ならば、空いている場所でどこでもOPENとはいきません。
道路や歩道上での販売は道路交通法による厳しい規制があり、警察署への道路使用許可を申請しなければなりませんが、個人営業の場合、許可が下りるのはなかなか難しいというのが現状です。
安定した営業場所を確保するためには、ショッピングモールや私有地での営業が好ましいと考えますが、その場所を確保する交渉も開業準備の中の重要なポイントとなりますね。
今回のお話は、官公庁の中でも保健所での許可に関連するお話でしたが、
我々、行政書士はこうした許可申請手続きにも対応が可能です。
どんなお仕事であっても、新規にビジネスを始める場合には入念な準備が必要ですが、
許認可手続きのプロである我々行政書士も
新たな目標を掲げて起業される方々のサポーターとしてお役にたてるよう
今後も尽力してまいりたいと思います。
お近くの行政書士までどうぞお気軽にご相談ください。
最後にあらためまして、
皆様にとって良き一年でありますようお祈り申し上げます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
しかし、誰もが勝手に売り買いが出来るわけではありません。
営業を始めるためには、もちろん許可を必要とします。