寒さの中に春の気配を感じるころとなりましたが、皆様、いかがお過ごしでしょうか。
今回は、来月1日から施行される相続(遺産分割)に関する法改正についてお話しいたします。
通常、遺産分割の期限は定められていません。亡くなってから何年たっても遺産分割
を行うことができます。しかし、遺産分割がされないまま長期間が経つと、誰のもの
かわからない所有者不明土地が生まれてしまうおそれがあります。一度、所有者不明
土地となってしまうと、その不動産を借りたり、購入したい人がいても、誰から借り
たり、購入すればいいか、わかりません。結果として、せっかくの不動産を活用でき
なくなります。
そこで、相続発生後、早期の遺産分割協議成立を促すため、相続開始後10年が経つ
と、遺産分割の協議の際、特別受益や寄与分の主張を制限する法改正が2023年4月1
日から施行されることとなりました。
ちなみに、特別受益とは、一部の相続人が故人から財産を受け取っていた場合、この
相続人が相続する財産を、法定相続分より少なくする制度です。例えば、この財産に
あたるものとしては、住宅取得資金、結婚費用、大学の入学金などが該当いたしま
す。
また、寄与分とは、例えば故人の家業を無給で手伝っていた相続人がいる場合や、療
養介護を献身的に続けていた相続人がいる場合、この相続人が相続する財産を、法定
相続分より多くする制度です。
特別受益や寄与分を考慮することで、公平に財産を相続させることにつながります。
類型的に、相続財産を遺産分割せずに長期間放置しておくと、相続人がさらに亡くな
ってしまうケースが多く見受けられ、結果として相続手続きが複雑になる可能性が増
加いたします。われわれ行政書士は、遺産分割協議書の作成は勿論のこと、故人の財
産調査、相続関係図の作成までお手伝いすることができます。
相続が発生してしまい、遺産分割協議書の作成のことでお困りになった際は、お近く
の行政書士にお気軽にご相談ください。