最近の少子化傾向について

 

9月に入りましたが、まだまだ暑い日が続いております。皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

さて、今回は少子化について考えてみたいと思います。

2024年1月1日現在、日本の総人口は1億2488万人余りで、前の年よりおよそ53万人減りました。日本人の人口は15年連続で想定よりはるかに早く減少しています。そして、先日発表された東京都の出生率はついに1%を切って0.9%台まで落ち込みました。このまま日本の人口が減少し続けた場合、日本の将来はどうなるでしょうか?

現在既に影響が生じている課題について、以下のようにまとめてみました。

1.労働力の減少
労働人口の減少⇒労働力不足が生じ、生産性の低下や経済成長の停滞につながる。
産業の維持困難⇒特定の産業や地域での労働力確保が難しくなり、産業の維持や発展が難しくなる。

2.経済の縮小
消費の減少⇒若年人口の減少により消費が縮小し、企業の売上や経済全体の成長が鈍化。
税収の減少⇒労働人口の減少により所得税や消費税などの税収が減少し、政府の財政に影響を与える。

3.社会保障の負担増加
高齢者割合の増加⇒高齢化が進むため、年金や医療費などの社会保障費用が増大。
現役世代の負担増⇒現役世代の税負担や社会保障負担が増加し、経済的な負担が大きくなる。

4.地域社会の衰退
過疎化⇒特に地方では人口減少が顕著となり、地域社会の活力が低下。
インフラ維持困難⇒過疎化に伴い、インフラや公共サービスの維持が困難となる。

5.教育機関の影響
学校の統廃合⇒子供の数が減少することで、学校の統廃合やクラス数の削減が進む。

6.高齢化社会への影響
高齢者おひとり様の増加⇒子供の数が少ないため、将来的に高齢者が孤独化するリスクが高まる。

7.国際的な影響
国際競争力の低下⇒労働力不足や経済成長の停滞により、国際競争力が低下。

 

では、これらの影響を少しでも緩和するためには、どのような施策が必要となるのでしょうか。

少子化対策は、政府、企業、隣近所といった社会全体でのオール・ジャパン体制の取り組みが不可欠です。

そこで、下記のように支援策について考えてみました。

1.経済的支援
子育て支援金⇒子供が生まれた家庭に対する一時金や継続的な支援金を支給。
税制優遇⇒子育て世帯に対する税控除や減税を実施。

2.育児支援
保育サービスの充実⇒保育所や幼稚園の拡充、延長保育や病児保育の提供。
育休制度の拡充⇒育児休業の期間延長や育休中の給与補填。

3.働き方改革
柔軟な勤務形態の推進⇒テレワークやフレックスタイム制度の普及。
ワークライフバランスの改善⇒長時間労働の是正、有給休暇の取得推進。

4.住環境の整備
住宅支援⇒若年世帯や子育て世帯向けの住宅購入支援や賃貸補助。
子育てしやすい街づくり⇒公園や子供の遊び場の整備、子育て支援施設の充実。

5.教育支援
教育費の軽減⇒幼稚園から大学までの教育費補助や無償化。
奨学金制度の拡充⇒返済不要な奨学金の提供や貸与型奨学金の条件緩和。

6.健康支援
医療費の補助⇒子供の医療費無料化や低減。
産前・産後ケアの充実⇒妊娠中や出産後の母子支援サービスの提供。

7.社会意識の変革
子育てに対する社会的価値の認識向上⇒子育ての重要性を訴えるキャンペーンや教育プログラムの実施。
男女平等の推進⇒女性の社会進出支援と男性の家庭参加を促進。

 

これらのうち、既に実施されている施策もありますが、これらを組み合わせて、総合的に少子化問題に取り組むことが重要だと思われます。

 

さて、昭和初期に出生された方々は、兄弟姉妹5人以上が当たり前、9人、10人も珍しくない時代でした。決して裕福ではない時代ですが、なぜこのように多子社会だったのでしょうか。

私なりの推測ですが、住むところがあって(実家)、食べることができて(農家、漁師、自営)、(恋愛対象となる相手が人口に比例して多いので)割合早い時期に結婚をして、多子を出産する(おじいちゃん、おばあちゃんが子育てに協力、お兄ちゃんお姉ちゃんが子守りに協力してくれるから沢山出産できた)、この繰り返しだったのではないでしょうか。

つまり、この流れを現代に置き換えれば、結婚支援→妊娠支援→出産支援→子育支援→教育支援につながります。

この支援を官民一体で協力して推し進めることができれば、出生率のV字回復も不可能ではないと思いますが、いかがでしょうか。

 

ちなみに、神奈川県の2024年7月1日現在の人口総数は922万8338人(男457万3114人、女465万5224人)前年同月比で5207人の減少ですが、 世帯数は439万3610世帯で、逆に4万5968世帯の増加となったそうです。
思ったより、孤独な家庭が増えているのかもしれません。

 

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