プロボノという言葉という言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。元来は非常に敷居の高いと思われていた弁護士サービスを、年に数回、誰でも利用ができるようなカタチで提供し、社会貢献をするというものでした。最近では、高度な専門サービスでなくとも、気軽にプロボノという言葉が用いられ、本業の傍ら地域や社会貢献をしていく企業や個人が増えてきています。
一方で、企業活動におけるサービスの提供の仕方も、社会的価値の提供が伴わなければ、市場に受け入れられなくもなってきました。このような状況をCSV(Created Shared Value)を言って、本業での活動においても社会貢献的な要素がなければ価値がないと表する動きもあります。
このように、わが国の市場がある程度成熟してきた昨今、市民の関心が経済から人とのつながり(絆)や助け合い(共助)という方面にシフトしてきているのが感じられます。市民活動も増えてきて、高校生主体のNPO法人が立ち上がったり、シニアの活躍が目立ったりと、老若男女問わず地域や社会にかかわる活動が非常に盛り上がっています。
では、具体的にどのような市民活動があるのでしょうか?
たとえば「月にランチ1食分500円で、誰にでもできる国際協力」を掲げ、20年にわたりアジアの途上国で弱い立場の人々の自立や住民主体の地域づくりを支援する団体や、路上生活者やその可能性がある方々に対して、「医、衣、職、食、住」を5つの柱としながら自立自援をサポートする団体、さまざまな理由で日本にやって来ている外国の人たちを、それぞれが自分らしく日本で生活できるようになることを目標に支援活動をする団体、“アートによる安全安心なまちづくり”をテーマに活動する団体など、活躍するフィールドは様々です。
それぞれ自分の得意分野を活かしたり、素朴に「助けたい」「力になりたい」という感情にしたがって参加している人ばかりです。ちなみに、茅ヶ崎市だけでも市民活動は500くらいあるといわれています。市民活動サポートセンターに行けば、いろいろ教えてもらえますから、興味がありましたら気軽に覗いてみてください。
さて、このように盛り上がりを見せている市民活動の数々ですが、たくさんの課題を抱えているのが実情です。
たとえば、お金の問題。どの活動も人が動くものですので、できれば人件費を捻出するためにもサービスの対価をもらわなければなりません。だけども市民活動が求められる領域というのは、そもそも市場性・経済性が乏しい。そのためサービスを提供しても対価を得られない構造があります。
そこで、国や各地方公共団体では、市民活動を支援するために補助金や助成金を交付したり、場所を提供したりしています。なかなか窓口は広くはありませんが、少しでも活動に弾みをつけたいと考え、皆さん懸命に準備をして応募しています。
次に、人材の問題が挙げられます。普通、市民活動が行われるのは平日の日中です。平日の日中といえば、現役世代はお仕事や学校に通っていますよね。このような時間帯に活動できるのは、時間に余裕のある一部の人か、現役を退かれた第二の人生を送るシニア世代の方々だけとなります。
シニア世代の方々は、多くの経験を持っていますので、ノウハウや人脈も豊富です。これらが非常にメリットとして大きいのですが、他方で、煩雑な事務負担をこなしていくだけの体力というか気力が現役時に比べると劣ってしまいます。
市民活動、特にNPO法人として活動する場合には、多くの優遇を受けられる反面、多数の事務負担が待っていますから、ここをカバーできる人材を常に求めているのです。
ここで登場するのが行政書士です。事務サポートのプロです。
NPO法人をつくる手続や、毎年課されている所轄庁への報告手続、その他契約のサポート、そして助成金申請の数々をプロとしてお手伝いさせていただきます。
また、市民活動を支援する団体(中間支援組織)もありますので、そのような団体にご相談していただければ、可能性が広がるかもしれません。
行政書士は「身近な街の法律家」といわれています。その趣旨は「もっとも相談しやすい専門家」ということだと私は考えています。皆さんが本業の傍ら市民活動に関わったり、第二の人生を地域に貢献するかたちで充実させたいとお考えになられたり、既に参加している市民活動に課題を抱えてしまっているとき、私たち行政書士はいつでも相談をお待ちしております。
湘南の地域はとても温和で話しやすい人が多いのは行政書士も同じ。是非お近くの行政書士をお尋ねください。