今から始める「老い支度」

 

 

8月になりました。

もうすぐ一般で言うお盆休みですね。企業などもお盆の期間を夏期休暇としているところが多いですが、これは、江戸時代に小正月(1月15日)とお盆(7月15日)の2つの時期を商家が奉行人たちに実家に帰る休みの日としていたものの名残と言われているようです。
祖先の霊を供養すると同時にこの時期にご自身の老い支度について考えてみてはいかがでしょうか。

 

老い支度は終活とも呼ばれ、「人生の終わりに向けた活動」のことを指します。巷では終活セミナーが盛んに行われています。
遺言やエンディングノートの作成、元気なうちに自身のお墓や遺影にするお気に入り写真を用意しておこうというものや、変わり種では、棺への入棺体験というものもあるようです。
代表的な老い支度といいますと、遺言やエンディングノートがあげられます。それぞれの概要をまとめてみたいと思います。

 

遺言

● ご自身の築いてきた財産を誰にどのように遺すかなどの希望を、あらかじめ遺言で決めておくことが可能です

● 遺言の作成方法は民法という法律で定められています → 作成方法を誤ると、遺言の内容を実現できなくなる恐れがあるので、作成の際は、特に注意が必要です

● 法律に則り作成することで、ご自身亡き後、ご自身の希望を記した遺言のとおり実行が可能です → ‟争続・争族”から大切な家族を守ることができます

 

※過去に遺言をテーマにしたコラムがありますので、そちらもぜひご参照ください

参考コラム(タイトルをクリック!)

「終活」-家族のために残す遺言書

“ご家族への最後の思いやり”「遺言書」のはなし

 

エンディングノート

● ご自身のもしもの時に備え、医療・介護・葬儀・緊急連絡先など様々な事柄に関する希望を書いておくことが可能です

法律に定められたものではないため、作成方法は自由です。ノートに記す以外にも、ビデオレターなど独自の方法で作成することも可能です

● もしもの時、家族などの身近な人が困ることのないよう、道しるべ的な役割として期待できます

● あくまでご自身の希望を記しているだけなので、遺言と異なり法律的な効力はありません → ご自身の希望が実現できるかは不確定です

エンディングノートは、作成方法に法律の定めがないため作成しやすく、老い支度の第一歩として取り掛かるのに最適ですが、確実性がないのが難点です。

 

そこで、より‟安全・安心”な老後を考えたとき、任意後見制度の利用が効果的です。

 

任意後見制度

● 現在は判断能力があり元気だが、もし自身が将来、認知症などにより判断能力が衰えた際、困らないよう備えるものです

● 判断能力が衰えた際、誰に支援してもらうか、どのような支援を希望するか、などをあらかじめ決めておきます → いざ判断能力が衰えた際は、任意後見監督人の監督のもと支援者からの支援をうけることができます

● 取り決めた事柄について、将来の支援者と契約を締結します(必ず公正証書にて契約書を作成します

 

老い支度は、‟お元気なうちに”準備するということが重要なポイントです。遺言・エンディングノート・任意後見制度など、それぞれに特徴があり効果を発揮する場面も違いますので、組み合わせて準備することにより、より効果的かつご自身の希望に沿った老い支度をすることが可能となります。

 

行政書士は皆さまの老い支度のトータルコーディネートをしております。
「老い支度を考えているが何から始めればいいかわからない」や「より安全・安心な老い支度をかんがえている」など、聞いてみたいことがありましたら、お近くの行政書士にぜひご相談ください。