事実婚カップルのための各種契約書・遺言書

 

この4月から、横須賀市では、同性と事実婚カップルを公的に「パートナー」として証明する制度が始まりました。近年、「事実婚」を選択するカップルが増えていることを背景に、多様性を認め合う社会実現のため、今後こういった自治体が増えていくことが予想されます。

 

各自治体での取り組み内容としては、公的にパートナーと認める証明書などを発行し、法律上の婚姻をした夫婦と同様に扱うよう、「事業者に配慮するよう求める」といったものが中心のようです。一見、画期的な様相を呈していますが、この証明書だけでは、通常の法律上の婚姻(法律婚)をした夫婦には当然に発生する法律上の様々な権利が認められません。

 

主に取りざたされているのは「相続」に関する部分です。法律婚であれば配偶者は相続権がありますが、事実婚には相続権はありません。事実婚の状態で長年一緒に暮らしていても、パートナーの財産を相続することができず、住んでいる家や、預貯金なども、法律上の相続人へ渡ってしまいます。

 

他にも、パートナーが浮気したときはどうでしょう。法律婚なら不貞行為を争い、慰謝料を請求できますが事実婚では? パートナーが他の人と法律婚してしまったら? 病気やケガをしたときに、医療行為の意思決定をできる? ・・・など、色々と疑問に思ったり、不安に感じたりすることもあるかと思います。

 

そこで、「事実婚誓約書」というものがあります。これは、できるだけ法律婚に近い形でパートナーとの関係を一つ一つ整理し、公的に影響力のある書面に残しておきましょう、というものです。

 

内容はお二人で話し合って決めます。「もし不貞行為をしてしまった場合は事実婚関係を解消します」とか、「お互いの扶養義務について」「親権について」など、お二人に合った形で必要な条文を作成します。

また、相続に関する部分については、別途「遺言書」にて指定することが望ましいでしょう。他にも「財産管理契約書」や「任意後見契約書」、「死後事務委任契約書」などと合わせることで、法律婚に近い権利義務を発生させることができます。

 

こういった権利義務に関する書類の作成は行政書士の仕事です。まずはお気軽にご相談ください。お二人の幸せな未来のために、行政書士にお手伝いさせてください。