10月にはいりました。
「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもので、厳しかった暑さも一段落し、過ごしやすい季節になってきましたね。
8月から9月にかけて、お盆やお彼岸にお墓参りに行ったという方も多いと思いますが、今回はお墓のお引越し、「改葬許可申請」についてお話しさせて頂きます。
ここ数年で、エンディングノート・終活という言葉もすっかり定着し、この8月に国際展示場で開催された葬儀・埋葬・供養に特化した日本最大の専門展「エンディング産業展2017」では、会期3日間で25,867名の来場者があったそうで、関心の高さが伺われます。
また、ニュース番組で「墓じまい」の特集が組まれるなど、ご自分が亡くなった後のお墓の管理まで心配される方々も増えてきました。背景には、少子高齢化で墓守がいなくなる、子供に面倒をかけたくない等の理由があるでしょうが、樹木葬や海洋散骨を希望する人も増加し、お墓に対する従来の見方が変わってきたことも要因なのでしょう。
では、墓守をする人がいなくなったので、お墓を撤去・整地して永代供養にしたいとか、自宅近くに新たにお墓を購入したので、遠方にある両親のお墓を移したいという場合、すぐに移せるものなのでしょうか?
どちらもそう簡単にはいきません。お墓のお引越しを「改葬」といいますが、
「墓地、埋葬等に関する法律」(昭和二十三年法律第四十八号)の第5条1項に、埋葬、火葬又は改葬を行おうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ)の許可を受けなければならないとあります。
又、「墓地、埋葬等に関する法律施行規則」(昭和二十三年厚生省令第二十四号)の第2条には、法第5条1項の規定により、市町村長の改葬の許可を受けようとする者は、申請書を提出しなければならない旨定めてあります。
つまり、改葬を行うためには、まず改葬許可申請を行い、許可を受けなければならないことになります。
では実際にどのような手続きが必要なのでしょうか?
①移転先を決定する。
②移転先の墓地、墓地管理者から「受入証明書」をもらう。
③現在の墓地、墓地管理者から「埋葬証明書」もらう。
④現在の墓地がある市区町村役場に「改葬許可申請書」を提出する。
⑤上記市区町村役場から「改葬許可証」をもらう。
⑥移転先の墓地、墓地管理者に「改葬許可証」を提出する。
一般的には上記のような流れになりますが、その他にも気を配らなければならないことがたくさんあります。
言うまでもありませんが、ご先祖様のお墓のことですから親族間の様々な意見をまとめることは
とても大変です。また、お墓が公営墓地にある場合などは比較的スムーズに手続が進むと思いますが、お寺の檀家の場合は、離檀料のトラブルなどが起こらないよう、ご住職様に相談した上でご理解頂く必要があります。さらには遺骨を取り出す際や整地にするために石屋さんの手配なども必要になってきます。
いずれにしても、お墓を移転するには時間もお金もかかりますので、ご自分の希望と家族の状況などを考慮して、余裕をもって検討されることをお勧めいたします。
行政書士は改葬についてのご相談、改葬許可申請書の作成等をお手伝いすることができます。
「お墓のことなんて・・・」という方も、「話だけ聞いてみたい」という方も、お気軽にお問い合わせ頂ければと思います。
また、10月は「行政書士制度広報月間」といたしまして、われわれ行政書士を広く皆様に知って頂きたく藤沢、茅ケ崎にて無料相談会を開催致します。ご予約は不要ですので、是非お立ち寄りください。