「薬屋さん」の豆知識

 

ついこの間まで、今年の残暑を嘆いていたような気がしますが、気づけば師走に突入ですね。
年の瀬に向かい、なにかと気忙しい日々の中、この冬の長期予報が「暖冬」から「寒い冬」へと
変更され、うっかり体調を崩しやすい季節でもあります。
出来ることならお世話にならず過ごしたいものですが、用心のために、と早めに風邪薬を
常備なさるという方も多いのではないかと思います。
さて、健康に関わることですから当たり前なのかもしれませんが、私達が一般に「薬屋さん」と
呼んでいる店舗は、厳密には「薬事法」という法律に基づいて営業されています。


医薬品を販売、授与又はこれらの目的で貯蔵し、陳列する場合には、この「薬事法」の
規制により許可が必要、と定められているのです。 
医薬品の販売には、次のような区分があります。
① 薬局   
薬剤師が販売又は授与の目的で調剤の業務を行う場所です(ただし、病院もしくは
診療所又は家畜診療施設の調剤所は含みません)。
具体的には、病院や診療所で発行された処方せんに基づいて、薬剤師が調剤をしてくれる
場所です。この許可を受けていないものが「薬局」を名乗ってはいけません。
② 店舗販売業 
店舗において一般用医薬品を販売または授与することができる店舗です。
具体的には、街中で見られる「ドラッグストア」の多くがこれに該当します。薬剤師または
登録販売者(医薬品の販売において一定の実務経験等を有する者で、かつ都道府県知事の
行う試験に合格した者をいいます。ただし、取り扱える医薬品には制限があります。)を
配置しなければなりません。
薬局と同様の許可要件を満たす場合には「調剤コーナー」を設けるなどして、
調剤をすることが出来ますが、薬剤師が不在の時間帯にはこの業務は行えませんので、
その旨を掲示しなければなりません。
③ 配置販売業
一般用医薬品のうち、経年変化が起こりにくい等厚生労働大臣が定める基準に
適合するものを家庭等に配置、訪問することにより販売または授与することができる
医薬品の販売業です。
具体的には、昔からある「置き薬」の取り扱いがこれに該当しますね。
この販売形態においても、薬剤師または登録販売者の配置が求められます。
また、ドラッグストアにて化粧品を取り扱う店舗がありますが、この化粧品の販売においても、
実は、薬事法にて定められています。
このように、皆様の生活の身近なところに、法令に則って「許可」「認可」を必要とする
お仕事は多くあり、私ども行政書士がお手伝い出来る事柄が案外と身近にあることを
少しでも知っていただければ幸いです。
では皆様、くれぐれも風邪などにお気をつけて、新しい年をお迎えくださいますように。