行政手続法について

 

私たちの日々の生活において、お役所(行政庁)とのお付き合いは、
切り離して考えることはできません。
転居をしたり、結婚した際には「届出」をしなければいけませんし、
また新たに何か営業を始めようとする場合には、許可を得る為の
「申請」が必要なこともあります。「届出」は必要な事項が
正確に記載され、必要な書類等が添付されていれば受付されます。
手続きもそこで完了になります。


しかし一般的に禁止されている行為を「申請」することにより
その禁止の解除を受ける許可(例えば、飲食店の営業許可)は
簡単にはいかないこともあるかもしれません。
許可をするお役所(許可行政庁)には、許可申請に基づき、
許可要件を基に審査した上で、許可をする権限が与えられています。
それは、許可行政庁に与えられた大きな裁量権と言うことができます。
しかしその大きな裁量権の不当な行使により、国民が不利益を
受けることは許されるものではありません。そのために許可行政庁の
公正の確保と透明性の向上を図るため、行政手続法という法律があります。
行政手続法は、申請に対してどのように処分をするか、また不利益処分を
する場合はどのような手続きを踏むか、どのような救済処置があるか、
大まかにはそのようなことが決められています。
特に申請に対する処分においては、
1.行政庁は審査基準を定めること。また適当な方法により審査基準を
公にしなければならないこと
2.行政庁は標準処理期間(申請があってから処分をするまでの標準的な期間)を
定めるよう努力し、定めた場合は公にしておかなければならないこと
3.許可行政庁は申請があった場合は遅滞なく審査を開始しなければならないこと
ということが規定されています。
そこで、行政手続法の規定に基づく審査基準及び標準処理期間が定められているか、
飲食店の営業許可申請を例に取って、とある許可行政庁に確認してみました。
審査基準については、神奈川県条例及び市条例に規定があり、ホームページから
参照できること、また申請の窓口においても、審査基準を記載したファイルが
備え付けてなれており、申し出れば誰でも閲覧が可能であること。
標準処理期間については、申請が受理されてから概ね10日を予定しており、
審査基準と同様のファイルに標準処理期間に関する記載をして、
備え付けているという回答を得られました。
法律で定める許可要件等を十分理解の上、依頼者の為に申請を行うのは
専門家であれば当然ですが、理由なく不利益な処分がなされないよう、
上記のような審査基準、標準処理期間を理解した上で、許可行政庁と
やり取りするのも我々行政書士の重要な役割と思います。
そして許可行政庁と一般市民の間にたち、双方のお役に立てる存在が
行政書士であると考えています。
何か困ったことや、難しいことがある場合は遠慮なく我々行政書士にご相談下さい。