民法の一部改正(親族法)について

 

民法は、その改正について、債権法の大改正が主だってニュースになりますが、
毎年少しずつ改正が重ねられております。
本年も、昨年の「民法等の一部を改正する法律(平成23年法律第61号)」により、
親族法の一部が改正されることになっております。
これは、来月(平成24年4月1日)より施行されます。


改正の概要としては、親権の喪失の制度等の見直しや、未成年後見制度等の見直し、
また、離婚協議時に未成年の子があるときに、面会交流や養育費の分担等を、
協議で定めなければならないことなどが明文化されました。
なお、離婚については、この改正を受け、4月1日から離婚届の様式に変更が加えられ、
これらの取り決めがなされているか、チェックする項目が新たに設けられるのだそうです。
私たち行政書士は、離婚に際しての「離婚協議書」を作成することがあります。
離婚協議書は、養育費の支払い等をより確実にするために、通常は公正証書にいたします。
このたび民法に明文化された面会交流や、養育費の取り決めは、たとえ明文化されて
いなくても協議書から外せない重要な項目です。
今回の改正では、ある意味、当たり前のことが明文化されたともいえるのですが、
これは、その当たり前のことがなされていない状況が多数ある、という現状を
物語っているとも言えます。
離婚という局面は、当事者双方において、大変精神的に追い詰められる状況に
あると言えます。その中で、当たり前のことがなされていないと非難することは、
もしかしたら酷なのかもしれません。しかし、これらの事項は、「子の利益を最も
優先して考慮しなければならない」という趣旨での取り決めであり、離婚に至った
原因とは別次元の話として考える必要があるのでしょう。
離婚届の記載項目が追加されることで、少しでも子どもの利益が意識されることが
増えれば良いのかな、と感じます。
離婚の協議につきましては、お互いの主張がぶつかることもあり、一筋縄にいかない
面もあるのですが、行政書士はその取り巻く状況を踏まえて、アドバイスさせて
いただくことができます。
離婚協議書作成に際しまして、不明な点、お困りの点がございましたら、
おひとりで問題を抱え込むことのないよう、ぜひ、お近くの行政書士にお問い合わせ、
ご相談ください。