来日外国人の増加の現状と歴史

 

10月に入り、だいぶ秋めいて来ました。過ごしやすい時期でもあるので、外国人の観光客の方も様々な場所で目にします。

 

このところ、神奈川県行政書士会に登録されている行政書士の中でも、外国籍の方が、少しずつ増えて来たように感じます。その方々もおそらく、日本で暮らす外国人の手助けの為に、奔走されていると思います。

 

今回は、来日されている外国人に関してお話ししてみます。まずは、来日する外国人は大きく2つに分けられると思います。観光目的の外国人と、仕事目的や既に日本で暮らされている外国人の方々です。

 

両方の外国人の来日数は増加傾向にあります。これには日本政府の方針も、大きく関与しているものと思われます。観光目的の外国人に対しては、国内需要の拡大の為、積極的に外国人観光客を呼び込もうと努力しており、2015年には、外国人観光客は2000万人弱と過去最高を記録しました。一方、仕事目的の外国人に対しても、日本政府はこれからの少子高齢化による、労働人口の減少を防ぐ手立ての一つとして、積極的に呼び込もうとしています。

 

そして行政書士と最も係わりがあるであろう、日本で働いている外国人(以下、外国人労働者)に焦点を当て、歴史や変遷について話していきたいと思います。ここでは、日本にいるすべての国の外国人労働者に関して、お話しすると膨大な量になってしまうので、日本の外国人労働者の中で、大多数の部分を占める、中国と韓国・朝鮮の外国人労働者に特化してお話ししていきます。

 

大きく外国人労働者を考える場合、戦争の結果、日本での就労もしくは生活を余儀無くされた人達と、1970年代後半から日本に働きに来た人達を分けて考えなければならないと思います。前者を「オールドカマー」、後者を「ニューカマー」と呼ぶ方もいらっしゃいます。自分もこの観点から、中国と韓国・朝鮮の方々を見ていきたいと思います。

 

戦争によって定住せざる得なくなった外国人は、主に韓国・朝鮮の方々です。この方々は「特別永住者」となり、近年まで日本で暮らす外国人のトップを占めていました。それが2007年を境に中国人と入れ替わり、現在も中国人が1位、韓国・朝鮮人が2位の状態が続いています。傾向としては、中国人は増えているのに対し、韓国・朝鮮人は微減しており、その差は大きくなっています。この両者共、現在は先程言った「オールドカマー」と「ニューカマー」が混在しています。

 

まずは、韓国・朝鮮人の方からお話しします。戦後70年以上が経ち、1位の座を中国人に譲ったとはいえ、いまだに50万人近くいます。それは現在の韓国から「ニューカマー」として来日した方がいたからです。昔はコリアンタウンといえば、神奈川県と東京都で言えば、川崎や上野が有名でしたが、今やコリアンタウンといえば東京都新大久保が有名です。韓国・朝鮮人の方はニューカマーの街、オールドカマーの街と住み分けがあるように思います。

これに対し、中国人の方々は韓国・朝鮮人の方と違い、戦前から立派な中華街をお持ちでした。いわゆるオールドカマーの方達の街でした。それが変化してきたのは、日本のバブル崩壊と中国の改革開放路線も一因と考えられます。横浜の中華街で見ると、一昔前まで食べ放題の店舗は見ませんでした。今は、食べ放題の店舗に席巻されていると思います。その一因はオールドカマー達の日本人化で中華街を離れ、そこにニューカマー達を受け入れる土壌が出来上がり、バブル崩壊で、老舗店は大丈夫でしたが、経営の危うくなった中小の中華料理店に入りこみ、消費者離れを懸念して低料金の食べ放題を始めたというのも、理由の一旦と考えられています。

 

外国籍の方が日本で働くためには、在留資格(ビザ)の申請が必要です。日本で働きたい外国人の方、外国人を雇いたい方は、お近くの行政書士までお気軽にご相談ください。