改正特商法が施行されました

 

師走になりそろそろ年末の買い出しや新しい家具や家電で、
気持ちも新たに新年を迎えようとお考えの方も多いと思いますが、
そんな方々にとっても重要な特定商取引法と割賦販売法の改正法が
12月1日より施行されました。
消費者保護の観点から、訪問販売や通信販売、そしてクレジットの
利用に関する法律が変わったのです。その改正の要点は以下の通りです。


●法律の抜け穴の解消
従来は政令で指定された商品やサービスのみがクーリングオフの対象とされていました。
改正法施行後は、クーリングオフの範囲が拡大され、他の規制により消費者保護の
対策がなされているもの、クーリングオフ等に馴染まない商品(例:乗用自動車、葬儀、
化粧品・健康食品等~いわゆる消耗品などで、使用又は一部を消費した場合など)を除き、
原則すべての商品・役務を扱う取引(訪問販売・電話勧誘販売・通信販売)を規制対象と
することで、規制の抜け穴を狙った悪質商法を未然に防止できるようになりました。
●割賦販売法におけるクレジット(割賦購入あっせん)に対する規制
従来の割賦販売法におけるクレジット(割賦購入あっせん)規制の対象は、
これまで「2ヶ月以上かつ3回払い以上」の分割払いに限定されていました。
改正法施行後は、商品等の購入から支払まで2ヶ月を超える場合すべて
(1回払い、ボーナス2回払いも)を規制の対象となりました。
●訪問販売に対する規制
従来の法規制下では、執ような勧誘による訪問販売や、判断力の低下した高齢者を
ターゲットにした訪問販売による被害事例が後を絶ちませんでした。改正法施行後は、
訪問販売業者に当該契約を締結しない旨の意思を示した消費者に対しては、
契約を勧誘することが禁止され(一度断られたら二度と勧誘できません)、また、
訪問販売によって通常必要とされる量を著しく超える商品等を購入する契約
(いわゆる「過量販売・次々販売」)を結んだ場合、原則、契約後1年間は契約の
解除等が可能となりました。
このような契約を締結させられた消費者は、契約後1年間はクーリングオフと同等の
契約解除を行うことができます。クーリングオフ時には、消費者がそれまでに商品を
使用していたとしても、販売業者は価値減耗分の請求ができなくなります。
●個別クレジット(個別信用購入あっせん)契約等に対する規制
従来は訪問販売業者が勧誘時に虚偽説明(不実告知)をした場合に、
その事実証明ができればクレジットの支払い停止ができました。改正後施行後は、
単に支払い停止(支払いの中断)のみに止まらず、それまでに支払った既払い金の
返還請求が可能となりました。また、過量販売においても、契約後1年間は、
個別クレジット契約を解除等が可能となりました。
さらに個別クレジット契約を行う事業者に対する行政による様々な監督規定も
導入されました。
●インターネット通信販売等に対する規制
従来のインターネット通信販売取引は、消費者自らの意思で契約を行うことが
前提のため、クーリングオフの対象ではありませんでした。改正法施行後も、
この原則は変わりませんが、これらの販売業者が広告やホームページに
返品の可否や条件などの返品特約に関する記載を表示していない場合に限り、
購入者が商品等を受け取った日から8日間の間にクーリングオフが可能となりました。
改正法施行により、消費者保護が一歩前進したと言えるでしょう。
それでもまだまだ万全とは言えません。
確実なクーリングオフ手続きの手段として、内容証明郵便を利用する方法がありますが、
この内容証明郵便の作成も行政書士の業務の一つです。