「民泊サービス」と行政書士~最新情報をお知らせ致します!~

 

 

まずコラムに先立ちまして、このたびの熊本地震により亡くなられた方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。遠く湘南の地より、被災地の方々の無事を祈るばかりです。

 

さて、2月のコラムでもお知らせ致しましたとおり、2020年に開催予定の東京オリンピック・パラリンピックにおいて、セーリング競技会場として湘南港(江ノ島)が選定されました。観光スポットとして人気が高い湘南地域は、年間訪れる観光客数が5200万人(平成26年)にものぼり、江ノ島周辺だけでも1800万人を数えます。今後オリンピック競技開催地としても注目が集まり、国内はもとより海外からもますます多くの方が訪れることが予想されます。

 

そんな中、一般住宅を活用して観光客に宿泊サービスを有償提供する、「民泊」が話題となっています。この「民泊」についてはこちらで主に民泊条例による参入状況などをお知らせ致しましたが、今回は旅館業法という法律に基づく「民泊サービス」についてご紹介致します。

 

旅館業法の許可には、大きく分類して以下の4つの形態があります。
①ホテル営業:洋式の構造及び設備を主とする施設で、いわゆる観光ホテルなどです。
②旅館営業:和式の構造及び設備を主とする施設で、いわゆる温泉旅館などです。
③下宿営業:1か月以上の期間を単位として宿泊させる、いわゆる下宿です。
そして、「民泊サービス」の営業を行う場合に当てはまるのが、
④簡易宿泊所営業、です。ペンションや山小屋などの形態も含まれます。

 

この簡易宿泊所営業ですが、平成28年4月から「旅館業法施行令の一部を改正する政令」の施行により規制緩和され、営業許可が取得しやすくなりました。主な改正点としては、一度に宿泊させる人数が10名未満の場合は、次のように取り扱われます。

 

まず、客室として必要な面積が、従来より狭くても許可が取れるようになりました。例えば、一度に4人を宿泊させる場合、改正前は33㎡以上必要でしたが、改正後は1人当たり3.3㎡(1坪)を確保すればよいので、4人×3.3㎡=13.2㎡となります。
また、いわゆるフロントの設置義務も小規模の場合は、基本的には設置を要しないこととされています。(自治体により一部運用に差異があります。)
ここまでお読み頂いた皆様の中には、どこまでが「営業」にあたり許可が必要なのか、疑問をお持ちの方も多いと思います。厳密には実際に許可を取る際の判断となりますが、単に友人・知人を泊める場合や、外国人でも以前から交友のある方を泊める場合は、原則として許可は必要ないと考えられています。

 

ただし、インターネットなどを介して広く宿泊者を募集したり、口コミでも不特定多数の宿泊者を集め、宿泊料をとる場合は許可が必要となります。
なお、「宿泊料」ではなく「お礼」や「体験料」、「寝具代」等の名目で費用を受け取る場合も、実質的に部屋の使用料を受けとったものとみなされ、許可が必要となります。万が一、許可を得ないで営業した場合は、6か月以下の懲役または3万円以下の罰金となってしまいますので、注意が必要です。

 

さらに、部屋の大きさなどの構造上の要件がOKとなっても、周辺施設との関係によっては、立地上許可が許されない場合や、分譲マンションなど管理組合がある場合は管理規約で営業行為が制限されている場合もあります。その他消防法や建築基準法の要件など、規制緩和されたといっても様々な手順を経る必要があり、許可取得には十分な事前調査が欠かせません。

 

私たち行政書士は「民泊サービス」に係る「簡易宿所」を含む旅館業の許可申請のプロフェッショナルです。今後「民泊サービス」の許可を取りたい、とお考えの際は、是非お気軽に行政書士へご相談ください。専門的見地からの的確なアドバイスと、親切丁寧な対応をお約束致します。

 

その他、行政書士がお手伝いできる業務は広範囲にわたっております。詳しくは当ホームページの「行政書士の仕事」にも掲載しておりますので、この機会にご覧頂ければ幸いでございます。

 

オリンピック開催に向けて、我々神奈川県行政書士会湘南支部は、今後とも地域の皆様のお役に立てる情報を当コラムにて配信してまいります。次回も是非ご覧ください。